2018年の春、私が新しく開発した多層式水耕栽培装置で枝豆を育てました(水耕栽培で「枝豆」を作っています。多層式装置でちゃんと育つでしょうか)。病気を患ったりしましたが、何とかサヤ16個の収穫ができました。てっきりサヤが鈴なりになると思っていましたが、予想に反して収穫量が少なく、不完全燃焼の栽培となってしまいました。
多層式水耕栽培装置は液肥を化繊布で吸い上げて、野菜に栄養を与える方式です。この装置は根と空気が触れる面積を広く取れることがメリットです。ただ、もしかしたら空気と触れる面積が大き過ぎたために、液肥の吸収効率が悪かったのかもしれません。一般的な水耕栽培のように、根が液肥層に使っている方が栄養の吸収効率が良く、大きく育つような気がします。
そこで今回は、いつも使用している水耕栽培装置で枝豆を育ててみました。この装置はカップの底から液肥を吸う「底面給式」で、根が液肥に浸かる状態で育てます。根が常に栄養源と触れているので、成長スピードが上がり大きく成長するはずです。それでは今年2回目となる枝豆の水耕栽培をしていきましょう。
水耕栽培装置&液体肥料
水耕栽培装置はこの記事《水耕栽培装置(1号機)の作り方。5L容器で野菜を3つ育てられるようにしました》のものを使いました。この装置構成の中で1点だけ違うのは、お茶パックではなく、より根が通りやすそうなマイクロファイバー布巾を使ったところです。また、液体肥料は微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈したものを使用します。
2018年6月16日 種蒔き
前回の栽培では2株で16サヤ収穫できました。今回は収穫量アップを目指すために、3カップで6株を育てます。
種まきは、液体肥料で湿らしたバーミキュライトに枝豆の種を合計12個蒔きました。以前同じマメ科の落花生を育てた時は、種の周りに水分が多いと発根すらしませんでした。この経験から枝豆も同じようなものと考え、発根して種の一部が地上に出てくるまでは装置に液肥は入れず、とりあえず明るい日陰に置いておきます。
2018年6月20日 発根
4日目になると種が顔を出してきました。このタイミングで装置に液肥を入れて、プラカップの底面から液肥が補充されるようにします。
2018年6月22日 成長がおかしい
さらに2日が経過した枝豆がこちらになります。上から見ただけでも様子がおかしいのが分かるでしょうか?
例えば徒長気味であったり、
茎と双葉のつなぎ目が茶色に変色しているものもあります。
ひどい株ですと、双葉に傷が入り黄変している株や、
地中に双葉の一部を置いてきてしまったもの、
さらには土から出る時点で、茎が折れてしまった株がありました。種を9個蒔いて、正常に発芽したものは1つもありません。
原因として考えられるのは、恐らく水分が多すぎたことです。種が地上に出てきたタイミングで液肥に浸けましたが、これによりバーミキュライト層の中には大量の水が流れ込みます。この水を吸いすぎて徒長したり、双葉が割れたりしたのではないかと考えています。
今回の栽培は完全に失敗に終わりました。80日後のたくさんの枝豆を夢見ていたら、一週間で目覚めてしまいました。
まとめ
では、今回のまとめになります。いつもは3項目くらいのまとめを書くのですが、今回はこれだけです。
・種が土から出てきた頃、つまり発根時に大量の水分を与えると、正常に生育しない
枝豆は育てるのが簡単な植物と言われています。しかしそれは土耕栽培の場合で、水耕栽培では難しいのではないかと思ってきました。
正直な話、あまり上手くできないので枝豆の水耕栽培から手を引こうと考えました。しかしこれで終わりにしてはせっかくの経験がもったいないです。枝豆の水耕栽培は難しいという事実が私の研究心を刺激します。まだ種は余っていますので、再チャレンジをしてみましょう。次は液肥を入れるタイミングをもっと遅らせて、双葉が開ききった頃にすれば上手く育つような気がします。鈴なりの枝豆を収穫するには、まだまだ長い道のりがありそうです。
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