枝豆の水耕栽培 第4回目。今年最後の栽培で大量収穫を狙います

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 今までに枝豆の水耕栽培を3回行ってきましたので、育てるコツが何となく掴めてきました。どうも私が以前から使っている栽培装置では供給される水分の量が多く、上手く発芽しないことが分かりました。そこで液肥を入れるタイミングを初生葉が出てきた時に変更したところ、正常に育つことが分かりました。

 種袋を見ると、枝豆の種蒔きは7月中旬頃が最後とのことです。種もまだ余っていますので、ここはひとつ今までの経験を駆使して、再び枝豆の栽培にチャレンジしてみようと思います。今まで使っている水耕栽培装置で枝豆を育ててみた感じでは、
 ・発芽初期の水やりが難しい
 ・根が液肥層に行きにくい
といった欠点がありました。そこで装置を少し改良し、上記2点の問題を解決しました。

 1回目の水耕栽培の時は2株で16個のサヤが収穫できました。4回目になる今回は6株を育てる予定ですので、目標は50個を収穫することです。最大の難関である《発芽》を越えれば、あとは収穫まで見守るだけです。さあ、今年最後の栽培を始めましょう。

 

 

 

 

水耕栽培装置&液体肥料

 今回の栽培で使用する水耕栽培装置は、この記事《底面給水式の水耕栽培装置をさらに改良。発芽時の水分問題を解決しました》のものを使います。また液体肥料には微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈したものを与えます。

 

2018年7月6日 種蒔き

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 種を各カップに3~4個置き、指で2cmくらいの深さに埋めました。液肥は容器の底から5cm程度まで入れておいて、適度にバーミキュライトが湿るようにしておきます。種蒔きを終えた装置は、種が地表に見えるまで室内に置いておきます。

 

2018年7月8日 種が地表に見える

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 最近は気温が高いので、種が地表に見えるまでの時間が短くなった気がします。このタイミングで装置を光の当たるベランダに出します。

 

2018年7月9日 もうすぐ発芽

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 地表に見えていた種は、もう少しで双葉が完全に地上に出てきそうです。ただ枝豆はここからの成長が遅く、完全に出てくるまでにはもう数日かかるでしょう。 

 

2018年7月12日 発芽(発芽から0日目)

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 双葉が開き初生葉が見えてきましたので、今日を「発芽から0日目」とします。 

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 今回の枝豆の発芽はあまり揃いませんでした。この株のようにもう初生葉が開こうとしているものがあるかと思いきや、

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 まだ双葉の中にある株もあります。もう少し発芽がそろってくれると後の管理が楽なのですが、こればかりはコントロールできそうもないですね。

 

2018年7月15日 初生葉が開く(発芽から3日目)

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 本日、半分の株の初生葉が開きました。今回蒔いた種は小ぶりなものが多かったせいか、葉が気持ち小さめです。

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 丈はこんな感じです。手前のカップの株が若干伸び気味ですね。

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 開いた初生葉を見ていると、何やら茶色の斑点がある葉を発見しました。もしかしたら病気になってしまったのかもしれません。念のため、この葉は切り取って処分しました。他の葉に伝染しないことを祈るばかりです。

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 ところで、とあるカップの発芽が上手くいっていません。初生葉が1枚しか出ていなかったり、双葉が開くのが遅かったり、いつまでも地面から出てこなかったりしています。このカップの株はあまり期待できそうにないですね。

 

2018年7月16日 液肥に浸ける(発芽から4日目)

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 1カップの成長が芳しくないですが、それを待っていると他の株が成長しすぎてしまいます。ですので本日、装置に液体肥料を入れました。入れた量はカップの底が2~3cm浸かる程度です。
 3回目の大豆水耕栽培のデータから、初生葉が開いていれば液肥に浸けてもトラブルが出にくいことが分かっています。心残りなのは、成長の悪いあのカップです。はたしてどうなってしまうのでしょうか、全く予想がつきません。

 

2018年7月19日 徒長ぎみ(発芽から7日目)

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 初生葉が開き、最初の本葉が出てきました。連日の猛烈な暑さのせいか、さらに徒長してしまい若干頼りない感じになっています。

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 特に双葉と初生葉の間が間延びしてしまっています。倒れることはないと思いますが、今後の成長が少し心配です。

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 しかしなぜかこの株だけは茎が短いままです。他の株と成長度合いが全然違うので、ある意味成長不良なのかもしれません。

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 徒長してしまっていることを除けば成長は順調です。これから本葉がどんどん出てくるでしょう。今は1カップにつき3本の株がありますので、今週末に間引きをして2本に仕立てたいと思います。

 

2018年7月21日 間引き(発芽から10日目)

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 徒長ぎみの枝豆は持ち直して、今は3つ目の本葉が出始めています。茎が異様に伸びたのは双葉~初生葉のみで、初生葉~最初の本葉以降は間延びはしていません。
 葉が成長して少し窮屈になっていますので、間引きをしましょう。

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 ここまで大きくなると、根がかなり成長しています。間引きする株をつまんで引っこ抜くと、他の株も一緒に取れてしまう可能性があります。そんな時はハサミで根本から切る方法が良いです。

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 1カップに付き3株ありましたので、成長があまり良くないものを1本選んで間引きしました。これからは2本立てで育てていきます。まだ暑い日は続きますが、頑張って成長してほしいです。 

 

2018年7月29日 一部の株を摘心(発芽から18日目)

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 前回の姿から見違えるように大きくなりました。もう少し茎が太くなってくれると、バッチリですね。

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 双葉は黄色くなって落ちていました。3回目の枝豆栽培の時は9日目でこの状態になりました。今回は18日目なので、双葉が落ちる時期はまちまちなのかもしれません。

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 5枚目の本葉が開きましたので摘心をします。摘心とは成長点を取ることで脇芽を増やし、収穫量をアップさせる作業のことです。写真中央の葉が6枚目の本葉になります。これは要らないので…

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 指で取りました。そして同じ作業を他の株にも行います。
 発芽の時から成長が遅かった2株は、まだ4枚目の本葉が成長している最中です。後日5つ目の葉が出たら摘心を行う予定です。

 

2018年8月4日 開花(発芽から24日目)

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 枝豆は茎の太さの割に葉が大きく育ってしまい、株が傾き気味になっています。そこで株元をビニールヒモで軽く縛って矯正しています。

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 根は40℃近い水温でも腐ることなく、成長し続けています。

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 発芽時には徒長していた枝豆も、とうとう花が咲きました。これから約40日後に収穫となります。サヤが何個収穫できるのか楽しみです。

 

2018年8月11日 斑点細菌病になった?(発芽から31日目)

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 花が咲き出してから新しい葉が育つことはなくなりました。そのため見た目は前回とほぼ変わりありません。

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 開花のピークは今週中頃で、今はちらほらと咲く程度に落ち着きました。一番最初に咲いた部分からは小さなサヤが出てきています。

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 葉の色がおかしいと感じたので、良く観察してみました。葉全体が緑と黄緑の斑模様になっていて、ところどころ小さな茶色い点があります。これはもしかしたら「斑点細菌病」かもしれません。

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 そこで以前購入した「サンボルドー」を使ってみます。サンボルドーの成分には銅が含まれています。これが葉に付着すると徐々に銅イオンを放出し、病原菌から野菜を守るのです。

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 希釈倍率は500倍にして、葉から滴る程度をスプレーしました。すぐには効果がでないと思いますので、定期的に撒いて今以上に広がらないようにしたいと思います。

《2020年5月1日 追記》
 確認したところ、サンボルドーは枝豆への登録がありませんでした。同じ銅水和剤である「Zボルドー」は野菜類の登録がありますので、こちらを使用して下さい。大変申し訳ございませんでした。

 

2018年8月19日 斑点細菌病が治まる?(発芽から39日目)

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 先週、斑点細菌病になりかけていましたので薬を散布しました。そのおかげか症状の広がりはありません。しかしいつ再発するのか分かりませんので、定期的に撒いていこうと思います。

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 ただの棒だったサヤはここまで大きくなりました。今回は合計6株育てていますので、どれくらい収穫できるのか楽しみにしています。

 

2018年8月26日 ヤサの数が気持ち少ない(発芽から46日目)

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 斑点細菌病対策のために、本日も薬を散布しました。葉には薄っすらと病気の跡が残っていますが、今のところ症状の進行などは起きていません。あと数週間で収穫なので、この状態で耐えてほしいと思います。

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 今回の栽培では大量収穫を目指すために、1つの水耕栽培装置で6株を育てています。しかし欲を出してしまったせいか、1株あたりのサヤの数が少ない気がします。何個のサヤが採れるのか、結果は2~3週間後に分かるでしょう。

 

2018年9月2日 葉が枯れ出す(発芽から53日目)

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 発芽から50日が過ぎました。ここにきて枝豆が不調となっています。

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 困ったことに、全体の2割くらいの葉が茶色くなってきたのです。

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 特にこの部分がひどく、多くの葉が変色しています。葉の表面や裏面を確認しましたが、ハダニなどの害虫はいませんでした。またネットでこの症状を調べてみても見つけられませんでした。
 枝豆の収穫は今週末を予定しています。あと数日ですので薬は撒かずに、今回は液肥を全交換してみました。原因が分からないと対策が立てられないので、もやもやしてしまいますね。

 

2018年9月8日 収穫(発芽から59日目)

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 先週あたりから発生した葉の枯れですが、やはり治りそうな気配は見られません。ゆっくりと茶色い部分が侵食しています。

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 病気にしては広がるのが遅い気がしますし、健康な葉に伝染することもありません。結局原因は謎のままです。

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 以前育てた枝豆と比較して、今回の茎は少し細めな気がします。ただよく考えてみると、5Lの容器に6本の株がひしめき合っているので、多少細いのは致し方のないことかもしれませんね。

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 液肥層を見ると、液は透明ですが壁面に茶色の藻がたくさん付いています。色が緑色ではなく茶色なので、死んでしまった藻が付着しているのだと思います。

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 サヤは十分に膨らみ、今にもパンクをしてしまいそうです。この枝豆は早生種で、収穫は花が咲いてから35日目が目安です。今日は36日目ですので、ちょうど良い日数となっています。それでは収穫しましょう。

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 不要な葉を取り除いて収穫完了です。見る限り、50個以上のサヤがありそうです。キッチンばさみで根本の茎を切ったのですが、かなり固かったです。何度も挟んで無理やり切りましたが、ここは素直に剪定用ばさみを使った方が楽でした。

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 今回は同時に6株を育てました。サヤの数が一番少なかったのはこれになります。写真の株は最初から成長が悪く、根を見てもカップの外にあまり出ていませんでした。やはり成長度合いとサヤの数は比例するようです。

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 逆にこちらが一番実っている株です。下から上まで鈴なりにサヤがあることが分かります。それでは全部で何個が収穫できたのか数えてみましょう。

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 各株ごとにサヤの数を集計しました。その結果、8・16・17・20・23・35個 合計119個が採れました。まさに大量収穫です。

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 ついでにサヤに入っている実の数ごとにも分けてみました。1個入りが15個、2個入りが89個、3個入りが15個でした。計算すると75%が2つ入りのヤサです。意外と3個入りのものは貴重みたいですね。

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 仕分けの途中で一部分が黒くなってしまったサヤを見つけました。何かの拍子に傷付いた結果、こうなってしまったのかもしれません。

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 収穫した枝豆はすぐに塩もみをして茹でました。収穫から15分以内で食べられるのは家庭菜園の特権です。今回は120個もサヤがありますので、独り占めして食べてみます。大体半分くらいを食べるとそれなりにお腹が膨れてきて、正直なところ飽きてしまいました。飽きるほど食べてもまだ余る枝豆…栽培は大成功と言って良いでしょう。

 

まとめ

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 枝豆の水耕栽培は今回で4回目になります。収穫量は1回目が16個、2回目は発芽に失敗し0個、3回目は68個、そして今回が119個と、一番多く収穫できました。この量ですと茹でる前の下ごしらえに少し時間がかかりますが、その分満足するまで枝豆を食べることができます。
 今回の栽培では、1株あたりの収穫量に最大4.5倍の差がありました。次回育てる時には、全ての株で同じ量のサヤが付くようにしたいと思います。そうすれば1回の栽培で200個以上を収穫できることも夢ではないでしょう。

 今年最後の枝豆栽培は大成功で終わりました。省スペースでも100個を超える収穫ができたのは素晴らしいことです。皆様も水耕栽培で枝豆を育てて、採りたて茹でたてのの豆を食べてみませんか?

 

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