液体肥料のpHを測定しました。今水耕栽培している野菜はどの液肥も弱酸性です

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 水耕栽培をしていて気になっていることがあります。それは「液体肥料のpHはどのくらいだろうか?」ということです。植物が育つ中で液肥が酸性になるのか、それともアルカリ性になるのか興味があります。そこでpHを簡易的に測定できる《pH試験紙》を使って、今育てている野菜の液肥のpHを調べてみました。

 

 

 

 まず《pH》とは何か説明が必要でしょう。pHとは簡単に言うと「液体がどのくらいすっぱいか苦いか」です。もっと専門的に話すと「溶液に含まれている水素イオンの数」です。pHの値は0~14で、低いほど酸性、高いほどアルカリ性になります。またその中間値の7は中性となります。イメージしやすいものに例えると、

 ・レモン汁:約2
 ・純水:5〜8
 ・7.8%の重曹水溶液:8.4

になります。ちなみに純水は空気中の二酸化炭素を吸収しやすいため、測定条件によりpHが変わってしまうのです。さてpHのことが分かったところで、実際に測定をしてみましょう。

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 測定にはこの「pH試験紙」を使います。試験紙に液体を付けると、そのpHによって色が変わります。その色とケースにある変色表と比べると大体のpHが分かります。本当はもっと精密に測定できる機械があるのですが、1台あたり1~30万円もします。今回はおおよその値が分かれば良いので、価格の安いpH試験紙で十分です。

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 pH試験紙には測定範囲でいくつか種類があります。用意したものはpHが0~14と5.5~9.0を測定できるものです。これで大体のpHはカバーできるはずです。早速、液肥のpHを測定してみましょう。

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 ピンセットの先にあるのがpH試験紙です。液肥を付けたら、すぐに引き上げます。

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 そして変色表と色を見比べてpHを割り出します。この時、すぐに比較をしないと色が変わってしまうことがあるので注意が必要です。測定した結果が下の表になります。

※測定日:2018年7月16日

 
pH
備考
スティッキオ
6.0
20日前に液肥を全交換
小松菜
6.5
2日前に液肥を全交換
枝豆
6.5
液肥の全交換はなし
モロヘイヤ
6.0
液肥の全交換はなし
液体肥料
6.5
微粉ハイポネックス
1000倍希釈溶液

※測定日:2018年7月16日

 4種類の野菜を使ってpHを測定した結果、どれもpHが6.0~6.5の弱酸性でした。また比較用として、使用している液体肥料のpHを測定したところ6.5でした。

 この結果から、植物を育てている液肥のpHはアルカリ性や極端な酸性にはならずに、pH6.0~6.5くらいの弱酸性で一定になると考えられました。pHがアルカリ性にならずに酸性となった理由は、植物の根から酸性物質である「有機酸」が分泌されているためと思われます(参考資料:根から分泌される有機酸と土壌の相互作用 平舘俊太郎)。液体肥料に藻が生えている野菜もありましたが、生えていないものとpHの違いはありませんでした。藻がpHに与える影響は少ないようです。

 私としてはアルカリ性や極端な酸性になった方が面白かったのですが、結果としては全て弱酸性でした。4種類の野菜で同じようなpHだったので、他の野菜でも変わらない結果になりそうですね。逆に言うと、pHが極端に違う値になった時は何か良からぬ事が起きているのでしょう。簡単にpHが分かりますので、たまに測定してみようと思います。

 

このpH試験紙の測定範囲は1~11です。変色表は1単位ですので、溶液の大まかな値を知りたい時に便利です。

  

この商品のpH測定範囲は5.0~8.0です。水耕栽培のpHを測定するには最適な範囲です。また変色表の単位が0.2ずつですので、割と正確に測定することができます。

 

pH試験紙ではなく「pH試験液」で測定することもできます。この商品は本来、アルカリイオン整水器の水質チェックで使うものです。しかし発色原理を考えると、液体肥料のpH測定にも使用できそうです。