水耕栽培で「わさび菜」を育て始めました。ピリッとしたサラダが食べたいです

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 私は3年ほど前に水耕栽培でほうれん草や水菜、ラディッシュを作っていました。最近はご無沙汰していましたが、今年は自分で作った野菜でサラダを食べるべく再び水耕栽培を始めようと思います。

 水耕栽培とは書いて字の如く、土の代わりに液体肥料を使った栽培方法です。水耕栽培は土栽培よりも手軽に始められるのが特徴です。通常ですとプランターと土が必要になりますが、水耕栽培では容器と液体肥料だけなので初期投資が少なくてすみます。また土を使うと、作り終わった後にその土をどうやって処分しようか悩みます。水耕栽培の場合は液体部分は下水道に、その他は燃えるゴミに出せるので処分の手間がまるで違います。ですのでマンションのベランダでも簡単に試せます。

 今回、水耕栽培するのは「わさび菜」です。わさび菜とは、からし菜を品種改良して作られたもので、ちりめん状の葉が特徴的な野菜です。名前の通り、わさびに似たピリッとした辛味があるそうです。この《わさびの風味》を感じてみたくてこの野菜を選びました。早速育ててみましょう

 

 

 

 

水耕栽培装置

 今回使った水耕栽培装置の詳しい作り方は、この記事《底面給水式の水耕栽培装置の作り方。5L容器で野菜を3つ育てられるようにしました》をご覧ください。以前の方法と比べて今回は蒸発防止用の蓋がありますので、水やりの回数は少なくなりそうです。

 

2018年2月18日 種まき

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 種まきの前にまず、寝床の数カ所に深さ5mmくらいの穴を掘ります。そして一穴あたり種を3粒植えて、覆土を行いました。

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 とりあえずこれで種まきは完成です。カップの底から根が出るまでは蓋にはめずに、容器の中に入れて様子を見ようと思います。だんだん温かくなっていているとは言えまだ最高気温は10℃くらいですのて、発芽するまでは室内での管理となります。気温が低いのでちゃんと芽が出るのか心配です。

 

2018年2月23日 まだ芽は出ず

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 さすがに気温が低すぎるのか、芽が出る気配はありません。とりあえずこのままの状態で待ってみようと思います。

 

2018年3月4日 1つ発芽

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 種を蒔いてから2週間たちました。このところ暖かい日が続いていたせいか、1つだけ発芽をしました。種は全部で30個くらい蒔きましたので、残りはいつ頃出るのか楽しみです。

 

2018年3月10日 発芽し始める(発芽から0日目)

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 このところ真冬の寒さが和らいだせいか、ちらほらと芽を出し始めてきました。わさび菜は寒いと発芽時期が揃わないのかもしれませんね。

 

2018年3月15日 1回目の間引き(発芽から6日目)

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 数日前まで発芽したての黄色い葉でしたが、ここ数日の晴れと暖かさで急に育ってきました。葉も緑色になってきています。

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 大体の種が芽を出しましたので、1回目の間引き時期です。成長度合いが良いものを残しつつ、程よい間隔になるようにいつくかの株をハサミで切り取りました。間引きをする際は、そのまま引っこ抜くと他の株まで抜けてしまう時があります。ですのでハサミを使う方法が確実でおすすめです。

 

2018年3月18日 本葉が出てきた(発芽から9日目)

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 双葉が大きくなり、その中心部から本葉が出てきました。

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 わさび菜の葉はちりめん状になっているのが特徴です。出てきた本葉は小さいながら、縁部分がギザギザになっているのが分かります。

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 根もお茶パックを突き抜けてきました。細い根ではなく、思っていたよりも太いものでした。

 

2018年3月24日 本葉の成長(発芽から15日目)

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 本葉が成長してきて、今では双葉よりも大きくなっています。前回間引きした時には、1カップにつき3株を残しました。現状では少し手狭になっていますので、さらにもう一株を間引きして2株としました。抜いたわさび菜を食べてみましたが普通の葉物野菜の味で、特別辛くはありませんでした。

 

2018年3月27日 1カップ1本に仕立てる(発芽から18日目)

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 ここ数日20℃を超える気温のせいか成長が著しく、カップの中が狭くなってきました。今1カップにつき2株ありますので、さらに間引きをして1株にしました。

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 ここからどのくらい大きくなるのか楽しみです。

 

2018年4月1日 双葉が役目を終える(発芽から22日目)

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 毎日見ていると分かりづらいですが、写真に残しておくと前回からどれくらい成長したか一目瞭然ですね。もうそろそろ高さが4cmを超えそうです。
 一番最初に出た双葉が緑色から赤色に変化をしてきました。成長初期を支えた双葉は役目を終えて、このまま枯れ落ちるのかもしれません。

 

2018年4月8日 大きさが数倍になる(発芽から29日目)

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 ここ最近の夏のような気温のせいか、わさび菜の成長は早いです。一週間前よりも数倍の大きさになっていることが分かります。

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 高さもカップの縁を軽く超えました。

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 根はお茶パックを突き抜ける数が多くなってきています。

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 3株ある中で一番手前の1株だけは、根がまだお茶パックを突き抜けていません。そのせいか少し成長が遅い気がします。今後に期待しましょう。

 

2018年4月14日 順調に成長(発芽から35日目)

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 わさび菜は順調に成長しています。葉が茂っているので、上から見てみると蓋の白色が見えなくるほどです。先日の強風で折れた葉があったので、ちぎって食べてみました。少しですが確かにワサビのような風味がありました。

 

2018年4月19日 葉の縁に水玉を発見(発芽から40日目)

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 朝、わさび菜を見たら、葉の縁に小さな水玉が付いていました。雨が降っていないのに何故…と思い調べてみると、葉にある「水孔」と呼ばれる穴から出た水らしいです。この日の朝は気温が低かったので、蒸発が少なくて結果的に水玉になったのでしょう。

 

2018年4月22日 高さが20cmになる(発芽から43日目)

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 発芽から40日を過ぎました。葉は鮮やかな緑色になっていて、心なしか美味しそうに見えます。一番育っている株は大体20cmの高さとなりました。

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 株元はこのようになっています。この写真だけですと、まるで大根の茎のようですね。

 

2018年4月28日AM 蕾を発見(発芽から49日目)

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 種から芽が出て、約50日が経過しました。写真ではワシャワシャ感がいまいち伝わらないのが残念です。今はベランダの台で他の野菜と一緒に育てていますが、これだけ大きくなってしまうと、わさび菜一つで占拠してしまいます。

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 葉には切れ込みが全体的に入っています。まるでイタリアンパセリやヨモギのようです。

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 茎は一週間前よりも心なしか太くなっている気がします。

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 液体肥料が入っている容器は遮光をしていませんので、藻が好き勝手に増えています。おそらくこの泡は光合成でできた酸素でしょう。

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 藻が増えたからと言って、わさび菜には害は出ていません。なんとなく見た目が悪いので液肥を交換してみました。実は一週間前にも全交換をしましたが、ここ最近の夏のような気温と日差しで、3日後には元の状態に戻りました。今回の交換も果たして意味があるのとか問われると、はてなマークが付きます。

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 わさび菜の写真を撮っていると、一番育っている株に蕾を発見してしまいました。この状態ですと、もう数日でトウ立ちしてしまいます。よく観察すると他の株も蕾は付いていませんが、トウ立ちの気配があります。このあたりで全てのわさび菜を収穫してしまいましょう。

 

2018年4月28日PM 収獲&食べる(発芽から49日目)

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 発芽から約50日目で収獲時期となりました。収獲するにあたり、まずプラカップを抜いてみましょう。

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 意外とすんなりと取れました。大きさの割には根が多くなく、他の株と絡んでいることもありませんでした。

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 根の部分は不要ですので切り落とし、続いてカップを取ります。

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 そうしましたら、ハサミで培地として使用したバーミキュライトごと根を切っていきます。バーミキュライトは発泡スチロールのようにサクサクと簡単に切ることができました。

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 最後に、根本に付いていた培地を洗い流して完了です。

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 収穫したわさび菜は3株で275gでした。計量前に全体を水洗いしましたが、虫食いや虫自体が全くいませんでした。やはり2階のベランダで育てると、虫が付きにくいのでしょうか。

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 今回、1つの株に蕾が付いてしまったので収獲しました。残りの株も確かめてみると、やはり中心部に花芽が隠れていました。わさび菜は日長でトウ立ちするとのことですので、春~夏にかけて育てる時は20cmくらいが限界かもしれません。

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 さて、わさび菜を育て始めたのは、ピリッとしたサラダが食べたいからでした。そこで中心・中間・外側の葉を切り取って、包丁で細かく切りました。

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 それに和風ドレッシングをかけます。できるだけ風味を減らさないように、最小限の量を使用しました。

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 これで15分前に収穫した「わさび菜だけサラダ」の完成です。早速食べてみましょう。

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 わさび菜とドレッシングを良く絡ませて、どんな味なのか期待しながら口に入れてみます。味自体はクセのない葉物野菜と言いますか、灰汁と青臭さのないホウレン草のようです。食感も歯ごたえがあり良好です。太くて硬そうな茎でしたが、意外と柔らかく生食でも十分食べられます。ただトウ立ち寸前まで育てていたせいか、葉がほんの少しだけゴワゴワしていました。今回わさび菜を育て始めた最大の理由であるピリッとした辛味ですが、残念なことに全くありませんでした。

 種の袋ににはこう書いてあります「彩りと辛味のアクセント」と。たしかに鮮やかな緑色は食欲を誘います。しかし辛味はありません。所詮は誇大広告、こんなものか…と残念な気持ちで草食動物のようにモシャモシと噛んでいました。

 そんな感じで食べていると、口の中に違和感を感じ始めました。口に入れた直後はただの草を食べている感じでしたが、段々とワサビの風味が出てきたのです。もしかして細胞の中にワサビ成分があり、噛むことで外に出てきたのでは?と思い、さらに噛み続けました。噛めば噛むほどワサビのピリッとした風味が強くなってきます。最後の方になると辛味が口から飛び出し、喉を通って鼻の方まで行きました。まさにワサビで鼻がツーンとする感じです。「予想以上に辛い!」と思って飲み込むと、鼻に抜ける香りまでワサビにそっくりです。

  今回はレッシングをかけましたが、生でも食べてみましょう。わさび菜をそのまま食べてみると、さらに一層ワサビの香りが強かったです。茎よりも葉の方が辛味成分がたくさん入っているように感じました。

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 食べてみて分かったのは、わさび菜はワサビの味がすることです。噛めば噛むほどワサビの風味が強くなり、まさにわさび菜の名に恥じない野菜でした。今回収穫時期が少し遅く、サラダで食べるには若干ゴワゴワ感がありました。収獲を50日目ではなく、40日目あたりで取れば柔らかい葉だったかもしれません。次回育てる時はもう少し早く収穫したいと思います。

 わさび菜はサラダの他にも、お浸しにしたり味噌汁の具として入れるのもオススメです。この葉は加熱をしても色が抜けにくく、鮮やかな緑色がテーブルを彩ってくれます。もし時間があるならば、味噌汁の具として水菜とわさび菜を一緒に入れてみて下さい。水菜は1時間くらいたつと、くすんだ緑色になってしまいます。一方でわさび菜は全く変色しないことが分かるかと思います。

 

まとめ

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 わさび菜の種を2月18日に蒔いてから71日目、発芽してからは49日目で収穫できました。最後に、この野菜を育ててみて感じたことを書いてみようと思います。

・種まきの時期は、暖かくなる3月にした方が発芽が揃うと思います。今回2月に蒔いたのは少し早かったです。

・特に病気や害虫の被害はなく、液体肥料を入れるだけで簡単に育てることができました。確かにあの辛さですと、虫は食べないかもしれません。

・今回欲張って、一番大きくなってから収獲しようとしました。そのせいで収獲時期が遅れてしまい、葉が少し固くなったり、トウが立ちそうになりました。春蒔きの時には発芽後40日目くらいの収獲が良さそうです。

 わさび菜は虫が付きにくく、また2ヶ月程度で収穫できるので、自宅で栽培するには打って付けです。生で食べると本当にワサビのようなピリッとした辛さがある不思議な野菜です。私は種をホームセンターで購入しましたが、使い切れないほど入っていました。今はマイナーな野菜かも知れませんが、もっと全国的に知られるようになれば100円ショップにも置いてくれるかもしれません。みんなでたくさん作って、是非とも知名度を上げましょう。